ご自宅を新築されるにあたり、イギリスの古い教会に入っておりましたステンドグラスをお納めいたしました。
玄関を入りますと、正面に観音開きの大きな窓が現れます。
周りの格子には、ヨーロッパの古城の修復などに使うため、現在も引き上げ工法で少量だけ生産されている透明ガラスを使用しました。
日本では大正ガラスとも呼ばれ、古い建築物などで現在も目にすることが出来るゆらゆらと揺れて見えるガラスです。
その中に、吹きガラス職人の手によって作られた、手焼きの淡い色味の板ガラスを混ぜて配置しました。
2階へ続く階段の踊り場には、ロンデルを用い大きく加工したステンドグラスが、白く塗られた広い吹き抜けの空間に輝きます。
どちらも、本当に淡い色のガラスを使用しましたので、一見無色透明のガラスに見えますが、実際にご覧になる角度や時間、天気など透過する光で色味はもちろんのこと、様々な表情を見せてくれる窓になりました。
また、建具までの制作をご依頼いただきましたが、寸法や仕様の決定など施工業者さんや工務店の方にもご協力いただき完成いたしました。