本日店頭に並べ、ホームページにUPしましたビクトリアンキャビネット。
トップの飾りまでの高さが153cmと、比較的小振りですが丁寧に作られた存在感のあるコです。
下の写真は自然光のもとで撮影してもらい送っていただいたものですが、彫刻飾りや曲げガラスなど、一同気に入って直ぐに買い付けました。
そして、工房に到着して数か月経ちましたが、メンテナンスの順番が回ってきましたので扉を開けると、奥のほうに小さなリモコンが挟まっていました。
おそらく調光/調色ができる照明器具のものだと思いますので、今もイギリスのどこかで何かが点きっぱなしではないでしょうか?(笑)
(Just in case, we still have been keeping this at our workshop, so please let us know anytime if it's necessary.)
さておきまして、早速メンテナンス開始です!
と思ったら、扉のガラスが1枚割れているの見つけました。
今まで全く気が付きませんでしたが、送ってもらった写真を拡大したところ、何となく割れているような割れていないような。。。
とりあえず、紫外線硬化系の透明接着剤でくっ付けました。
ただし、一度割れてしまったガラスは物理的な接着は可能ですが、クラック(割れ痕)は残ります。
ですので、新しく作ることにしました。
作り方は、先ず型を作って、スランピング(ガラスを加熱して曲げること)します。
通常、スランピングは凹凸のあるモールド(耐火性のある型)に沿わせて曲げることが多いのですが、今回のピースは真ん中に開いた四角い穴に凹ませるように溶かしました。
焼き上がるとこんな感じです。
底まで落ちきる前の中空の状態で徐冷(ガラスをゆっくり冷まして固めること)に入る温度設定でしたので、両面共にツルっと綺麗です。
あとは、同じ寸法でカットすれば新しいピースの完成です。
それと同時に進めていた木部のメンテナンスも順調です。
状態も良く、ぐらつきなどもありませんでしたので、先ずはクリーニングと再塗装を行います。
トップの彫刻に一箇所だけ欠損がありましたので、年代の近い材料用の家具から取ったマホガニーを使って無い部分を作ります。
いずれも2cmぐらいの小さな部分ですが、良い感じに戻ったと思います。
で、最後にもう一度写真を拡大してみました。
犯人は誰だっ!(笑)