店のブックケースには、今まで買い付けの際に見つけては立ち寄った古本屋さんで買ってきた本(売り物ではありません)がたくさん入っています。
アンティーク家具やステンドグラス関係はもちろん、建築やいろいろな画集など、それらが綺麗に並んでいるのを見るだけで満足しています(笑)
本については以前のブログでも違うトピックを書きましたが、そんな中にビクトリア時代の日用品や道具たちが紹介された1冊があります。
300ページ以上にわたって5000点を超える当時の様々なモノが紹介されています。
実はこちら、1883年に発行されたSilber&Flemmingという会社の商品カタログを編集して1991年に発刊(写真のものは1993年第四刷です)された『THE VICTORIAN CATALOGUE OF HOUSEHOLD GOODS』 by Dorothy Bosomworth という本です。
(余談ですが本日現在、新書ではありませんがAmazonなどのショッピングサイトで売られているようですので興味のある方は検索してみてください)
カトラリーは実寸で描かれているページもあり、見ているだけで楽しいです。
鳥かごは凝った作りのモノが多く、インテリアとしても絵になりそうですね。
様々な素材や意匠のキャンドルスタンド、装飾が施された時計やそれぞれにカレンダーやバロメーター(気圧計・晴雨計)が付いたもの、そして木製ボディーのカメラなど、どれも当時を今に伝える品々です。
語弊があるかも知れませんが、実用性だけを考えると今はスマートフォンひとつで事足りてしまいますね。
ちなみに、向かって左の時計に付くカレンダーが1885年1月27日(FRIDAY)となっていますが、実際は火曜日です。
しかしながら、それぞれが独立した手回し式のため、3日待てば金曜日のほうからやって来るので大丈夫です!
(とはカタログに書いてありません。念のため)
コールボックスは、時代と共に本来の役割を終えた家具の一つと言えるかも知れません。
特徴としては箱と一体型の扉が手前に倒れるように開くものが多く、中には金属製の内箱とスコップが入っています。
その名の通り石炭を入れるために使われていましたが、1960年代以降、石炭使用や都市部での暖炉使用が禁止されてからもなお以前と同様に作り続けられていたとは考えにくく、幸い今残る状態の良いモノは別の目的で使われていたと推測できます。
過去の実例ではダストボックスや電話台、中を少し加工してマガジンラックやスリッパ入れなどとしてお使いいただいていますので、小振りのものが多く中も見えないため汎用性は高いと思います。
アンティークに限らず、『使い捨てない』という点では今の流れに合いそうなアイテムですね。
最新のアウトドア用品に比べると持ち運びや片付けなどの煩わしさはありますが、ランチョンバスケットからたくさんの食器やカトラリーを並べて、広い草原でのんびりと昼食を愉しむなんて想像が膨らみます。
でも、たとえ広くてもこのアウトドアゲームはやっちゃダメですよね?(笑)
モノを通して当時のイギリスの人々の生活を少しだけ身近に感じながら、この100年ちょっとの間で身の回りにあるモノが激変しているのを考えると、個人的には怖さ(?)すら感じます。
このカタログが作られた数年後にガソリン自動車が誕生したらしいです。
また、ライト兄弟が飛んだのが1903年、世界初の有人宇宙飛行が1961年、インターネット普及開始が1995年から2000年頃(総務省R1情報通信白書より)、そして店の複合機が壊れたのが2021年春。。。などと。
ということで、ここまで長かったのですが、やっとタイトルにある『お知らせ』まで辿り着きました。
実は少し前のことになりますが、お店でずっと活躍してくれていた複合機が完全に壊れてしまい、同じものを探したのですがもう生産されていないとのことでした。
でも、日々使うものですので、それこそいろんなメーカーカタログを見て一番使う機能とランニングコストを重視した新しいものを発注しました。
ただし、今度のものにはFAXが付いていません。
(必要なスペックのものにFAXが付いているもの自体、今はどのメーカーにもありませんでした)
FAX使用履歴を見て、今年は0回、昨年は年間2回...過去5年で計9回と殆ど使っておらず、たまにFAXでやり取りしていた業者さんとは数年前から違うツールを使うことになっていますので、これを機に店頭のFAXを廃止いたしました。
トゥー ダブルオーセブンの番号でお馴染みの電話に変更はございませんので、ご理解のほど宜しくお願いいたします。