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#077『日英の椅子たち』

2020-11-14

下の写真は、先日張替えや組み直しなどメンテナンスが完了したビクトリアンのサロンチェアです。
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日々、古い椅子たちをメンテナンスする中で、意外と大変なのが生地を剥がす作業です。
以前のブログでも書いたことがありますが、剥がす工程で発見するものや先人の技などそれはそれで楽しい反面、無数に刺さる錆びた釘やタッカーの針を本体を傷つけないように1本ずつ抜き取る作業は、モノやその数によって1日掛かりになります。
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この椅子は、過去にベルトの補強は行われていましたが一度も張替えられていないオリジナルの状態でした。
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本生地、綿、馬毛、スプリングや麻など、底生地を含むと9層構造になります。
順番に並べると解剖図のようで楽しくなり、スマホのパノラマ機能を使って写真を撮ってみました。

こんなことをしてるから1日が終わっちゃうんですよね?(笑)

さておきまして、次の写真はメンテナンスでお預かりした日本の古い椅子。
現在張替え作業中ですが、大きな特徴としては和室で使用できる脚になっています。
今までにも大正や昭和初期の椅子を幾つかメンテナンスしましたが、その多くがこのような仕様でした。

いずれにしても、床几や縁台ではなく椅子が屋内で一般的に使われ始めた頃の日本の住宅事情を考えると、畳を傷めないことは必須条件だったはずです。
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中に使われている素材も棕櫚や藁など、国が変われば材料もいろいろです。
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そしていつも思うのですが、炊いたら食べられますか?(笑)

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