前回、『買い付け準備』というタイトルでブログを更新しましたが、事前に紹介していただくモノや現地で出会うモノにかかわらず、それらを渡英期間の限られた時間の中で確認するのですがたまに見落とすこともあります。
今回は、そのひとつをご紹介しようと思います。
下の写真は、長さが約4.5cm程のおたまじゃくしのような形をしたピース。
長旅を終え工房に到着し、いざメンテナンスをしようとした際、2つある内の1つが折れて無くなっていることに気付きました。
ですので、それを作るために先ず適当なサイズの鉄丸棒を用意しました。
先を焼いて、叩くことで面を作ります。
ちなみにこの鉄棒は、年代的に同じぐらいのステンドグラスの補強材として窓枠に付いていたもですが、削って一皮剥けば綺麗な状態です。
頭の部分は、なんとなく形になりました。
あとは尻尾の部分を削り出せば作業完了です。
最後に酸化膜を張り、微調整して組み込めば完成です。
これがどこのパーツかというと、ティルトップテーブル(写真のテーブルのものではありません)の固定用ラッチの片方でした。
実際に、イギリスでは新品のものが今も販売されていて手に入れることができるのですが、それをビスで一式付け替えるだけならアンティーク職人って必要ないんでしょうね(笑)
手間は掛かりますがシンプルな作りだからこそ、必要な部分だけを補うことでまた長くお使いいただけるのもアンティークの魅力のひとつですね。