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#045『透明って何色?』

2018-08-25

なぞなぞのようなタイトルですが、日々ガラスを触る中でごく稀に「透明って何色ですか?」と尋ねられることがあります。

そんな時、一番最初に思い浮かぶのは映画の透明人間です。
「文字通り『透明』は目で見えないので、そもそも色ではないのでは?」や「でも、透明人間のinvisible(不可視)と透明ガラスのtransparent(透き通るけど見える)は違うよなぁ…」などと色々考え込んでしまいます。

ステンドグラス材料を探したり注文する際には、transparent(透明系)・translucent(半透明系)・opaque(不透明系)を使います。
これらは色ではなく透け具合を表すので、「赤のtransparent」や「青のtranslucent」、「白のopaque」などとなります。

でも数えきれないぐらい種類のあるガラス材料から1枚を選びますので、実際には「赤の透明系でちょっと黄色に振った朱色みたいなやつ」とか「濃い青で表面にちょっと白の入った半透明」、「ほとんど光通さなくていいので、白の不透明で表面がボコボコしたやつありますか?」と、ガラスを説明する場合は色・透け感・表面のテクスチャを材料屋さんに伝えます。

その中で色の着いていないガラス全般をclear glassと呼んでいて、「クリアのボコボコ」や「クリアの気泡入り」といったように透明度を表すtransparentと使い分けています。

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「で、結局透明って何色なの?」という話に戻りますが、ガラスに限らず透明なモノ越しに何か物を見た際、その物の色が変わって見えなければ透明と言えると思います。​
キャビネットを撮った上の写真のように琥珀色やピンク、金彩やシルバーがそのままの色で見えるのが透明だとすると、透明なモノは何色にでもなりますね。
そして、透明なガラス越しに透明なガラス器を見て、後ろに貼られた生地の色が見えたりするともう何が何だか。
ということは、やはり透明は色ではないんでしょうね。

僕は何を言っているのでしょうか?(笑)
 

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そんな中、湾曲したガラスピースを作るご依頼をいただきました。
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透明のガラスを焼いて曲げ、寸法に合わせてカットしました。
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ただし、透明ではなく半透明に仕上げられていました。
よく見るとただのエッチングではなくザラついた感じでしたので、マスキングをしてサンドブラストで粗し、その上をフッ酸を含む薬品でスリガラスにしました。

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この時点では透明度は殆どなく、色でいうと白になりました。
オリジナルと比べると、理屈ではなく全く異なる見た目です。
要は、背景に透ける色の見え方が違います。
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最後は手磨きで透明度を戻して、色で言う白さを消します。
磨いては見比べる作業を繰り返し、ほぼ同じ色味(透け感)に仕上げました。

半透明って何色ですか?

 

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