また、この季節がやって参りましたねっ!
昨年は立秋前日ギリギリでのご挨拶でしたので、今年は土用の丑の日に暑中お見舞い申し上げます。
さておきまして、生地を剥がされ作業台に横たわるソファの写真から始まる今回のブログですが、こちらは張替えをご依頼いただきお預かりしたフランス製の椅子です。
裏面を見ると麻ベルトが切れ、スプリングを支えていないことがわかります。
中のスプリングも定位置から動いており、腰掛けても座り心地は良くない状態でした。
この麻ベルトは現在でも使われる素材ですが、伸縮性が殆どなく人の体重をダイレクトに受けるため、使用頻度や経年によって切れることがある消耗材料でもあります。
そんな場合は一旦全てを剥がし木部のメンテナンスを行い、状態に合わせクッション材を入れ替えて張り直しを行います。
今回は、スプリングや土手(馬毛などで立体的に作られた縁)は残し、クッション材や麻下地、丈夫なベルトに交換することにしました。
以前のブログでも書きましたが、ボタン留めと縫製は外注作業となります。
ちなみにお願いする先は、椅子張りの師匠でもある信頼の置ける専門の職人さん。
ただ、アンティークに関わらずどんな椅子でも日々張替えを行っておられる工房さんなので、同じ職人として仕事の邪魔をしないように連絡するタイミングは気を遣います。
今回のように「今、ホテルの椅子200脚張替えてるねん」などと聞いていた場合、クレア号にソファを載せて伺い、「とりあえずお願いします!」と一同頭を下げソファを残して逃げ帰ります(笑)
でも、いつも通り美しく仕上げてくださいました。
こんな感じでとてもお世話になっている椅子張り工房さんですが、ずっと何に使おうか迷っていた生地を使ってクッションを作っていただくことにしました。
実はこの生地、丁度2年前の買い付けで出会い「かっこいいね」と連れ帰ったものですが、パターンのサイズが約60cm角ありますので椅子の座面には大きすぎて使えずにいました。
以前の納品事例でご紹介したクッション同様、中身のヌード(パンヤ)もその専門の職人さんの手作りになりますので、どんなサイズのものでも制作可能です。
1脚張り替えるには少し長さが足りないなど、日々の張替えで余る生地の有効利用にもなるかと思います。
今回はサンプルとして各色1つ制作していただいてますので、完成したらご紹介いたします☆