過去のブログでも少し触れたことがある『鍵』ですが、メンテナンスを含み少しご紹介しようと思います。
先ず、家具に付いている『鍵』を大きく分けると3つあります。
写真(上) 鍵と取っ手が別々に付くモノ
写真(中) 鍵と取っ手が一体型のモノ
写真(下) 鍵のみのモノ
仕様はそれぞれですが、全てに共通するのが鍵を掛けることで扉や引き出しが固定されます。
扉に関して言えば、鍵を掛けることで勝手に開くのを抑えるラッチの役目も兼ねています。
ですので、鍵のみが付いた扉はそれひとつで『鍵』・『取っ手』・『ラッチ』の三役をこなす重要なパーツです。
そして、下の写真は鍵のみが付いた引き出しです。
正面から見ると鍵穴だけがあり取っ手などが付いていませんので、ロックが掛かっているいないにかかわらずキーが無いと引き出しを引っ張ることすら出来ない仕組みになっています。
余談ですが、引き出しの底には糊付けされた紙が敷かれていて、剥がすととても綺麗な状態でした。
話を戻しまして、そのキーボックスを外しました。
実際に鍵は可動していましたがキーの回りが悪く、自分たちが買う側だったら中の状態も気になりますよね。
買い付けに際しては買う側なのですが、以前に書いた椅子の座面を剥がすのと同じで、買う前に分解したら叱られますので(笑)
キーボックスにも幾つか種類があり、ほとんどの心棒は鉄製ですが、内側のカバーは鉄や真鍮とそれぞれです。
銅と亜鉛の合金である真鍮は加工性に優れ、緑青は噴きますが鉄のような朽ちる錆び方をしませんので、可動する鍵の中身として昔から使われていたのは納得です。
もちろん鉄が悪いわけではなく、キーを抜き差しして回す度に擦れる心棒や板バネは、真鍮では代用できない鉄の特性を利用したものになります
錆を取りクリーニングをして、錆止めを塗ります。
この際、磨き過ぎには注意します。
磨く=削ることになりますので、やり過ぎると余計な隙間が出来たり歪みが生じて、カバーの締りが悪くなったり鍵の動きがぎこちなくなることがあります。
クレアアンティークスでは、お持ちの家具の鍵修理や合鍵作成も承っております。
その他のメンテナンスを含め、お気軽にお問い合わせ下さい。