2016年7月に買付け、9月に到着した英国メイプル社製サイドボード。
現在、ホームページのStock Itemに掲載しているのですが、そのサイズや作り、重さから中々手を付けられずにいました。
買付け時、ディーラーさんの倉庫からトラックまで4人掛かりで運んだのを憶えています。
その重さの理由は、下の写真をご覧になるとお分かり頂けるかと思います。
引き出しも多く、それぞれが厚みのあるマホガニーの無垢材で組まれています。
木の素材そのままとはいえ、パーツが増えるとその体積の分だけ重さが増します。
この辺まで来ると、だいぶと軽くなりました♪
当時の家具は、膠(ニカワ)とマイナスビスで組まれているのですが、一つのパーツを固定するために様々なサイズのビスが使われています。
ですので、再度組み上げる為にどのビスがどの穴に合うか、一本ずつ管理する必要があります。
面倒な仕分け作業ですが、これをしておかないと後でもっと面倒なことになります。
フロントの曲面飾りは、木目からも分かるように板を曲げたものではなく、大きな無垢板からこの形で切り出された贅沢な作りをしています。
軽くなったので、ひっくり返して脚の組み直しを行います。
外した脚を手に取るとずっしりと重量感があり、しっかりとした作りをしています。
それもそのはず、自重に耐えられることはもちろん、家具としていろいろな物が収納されますので、それら全ての重さを支える必要があります。
一つの塊を刳り貫いて作られたその脚は、さすがメイプル社クオリティですね。
脚を外した後に残るのが、膠や過去の修理で使われたボンド。
これを綺麗に取らずに再度接着しても、古い接着剤の部分から直ぐに外れてしまいます。
そこで、実際にはカッターナイフでも行える作業なのですが、その度に新しい刃が何本もダメになってしまい勿体無いので今回はボンド除去専用の刃物から作ることにしました。
その理由はシンプルで、普段使っているノミや彫刻刀を使うと、刃こぼれすることが多々あります。
過去に幾度かメンテナンスされている家具は、外から見えない様に隠し釘が入れられていたりビスが埋まっていたりします。
それに当たって刃が欠けるといざという時に使えず、余分な砥ぎ仕事が増えますので。。。
ということで、今使っている彫刻刀より切れ味の良いのが出来ました(笑)
表面に残るボンドが綺麗に取れた後、折れたり緩くなったダボを新しくして脚に打ち直します。
現在、脚の組み直しまでが完了し、5月のコンテナが到着するまでには店頭に並べたいと思っています。
完成をどうぞご期待下さい☆